高齢者の免許返納

コラムをご覧の皆様こんにちは。

近年、高齢者の運転免許の自主返納者数が高まっていることが話題となっています。
免許を自主返納する人はここ10年間で約12倍にも増加しています。

車を運転できなくなると不便なことも多く、「返納するか迷っている」という人もいるのではないでしょうか。

また、周囲の人に返納を勧められて「返納したらどうなるのか知りたい」と思っている人もいるかもしれません。

返納したときの大きなメリットとしてまず「運転経歴証明書」がもらえます。

「運転経歴証明書」は運転免許証の代わりの身分証明書となるほか、
提示することで、バス、鉄道が半額(自治体によっては無料)になったり、
タクシー料金が10%割引になったり、イオン・イトーヨーカドーにて格安配送が可能になったり、
各種施設などが割引になります。

車が運転できなくても快適に生活しやすくなるのです。

ほかにも、車を運転しないということで事故のリスクが減りますし、
車が不要になる分、車検、維持費がかからないという金銭的なメリットもあります。

運転免許の返納は、良いことばかりのように見えますが、デメリットもあります。

例えば、今までのように買い物や病院に気軽に出かけにくくなります。
公共交通機関の整っていない地域であればなおさらです。
移動に必要で、家族が車を出さないといけなくなる可能性もあります。
その場合、家族に負担がかかることも考えられます。

また、車の運転しないことで記憶力や判断力が欠け、
運転をやめた後に認知症が突然進んでしまったという事例もあります。

運転ができなくなることで、生活上にも健康面にも、悪影響がないとは言えないようです。

運転免許証の返納には、メリットとデメリットがありますね。

事故のリスクを考えれば免許の返納は必要との見方もありますが、
返納によって今後の暮らしの質が損なわれるのでは考えものです。

返納を検討する際は、車がなくとも暮らしていける環境を整える必要があります。

車がなくても生活できる土地へ引っ越しをしたり、
買い物に行かなくとも済むように宅配サービスを検討したりするなど、工夫が必要かもしれません。
私自身、車を運転している高齢の父がいるので、運転免許の返納による「安全・家族の安心」と、
返納後の「利便性」を踏まえて、より良い選択をしていかなければと思う今日この頃です。
大石